エルヴィス・プレスリーのリーゼントから気づく逸脱の意味

僕の好きなフィフティーズ時代をお伝えするのに、よくエルヴィス・プレスリーを出すことがあります。
なぜなら、エルヴィス・プレスリーは有名だから。有名な人を例えにすると知ってもらいやすい、そう考えたからなんです。じつはボクは、エルヴィス・プレスリーの生涯が好きなわけではなく、フィフティーズ時代に活躍したエルヴィス・プレスリーが好きだったんです。

ですが、「 #エルヴィっていこうぜー!」とか、エルヴィス・プレスリーの顔出しパネルを作ったりしている以上、その生涯も知っておくことが必要かなと思うようなりました。さらには、エルヴィス・プレスリーというと、不良(素行不良、いわゆる悪さをすること)の象徴と思う人もいて、そこに違和感を感じたんです。なので、今回はエルヴィス・プレスリーの生き方について書いてみますね。

エルヴィス・プレスリー、彼はすごく真面目で気の優しい青年でした。ただ周りにいる人たちとは逸脱した感性を持っていた、それだけだったんです。(逸脱というのは、筋道から外れることという意味がありますが、ここで使う逸脱というのは、みんな同じというスタイルから外れている、という意味で使っています。)

エルヴィスは小さい頃に南部の貧しい州からメフィンスに引っ越してきたんだけど、結局父親の仕事ではそれほど裕福にはなれず、貧しい移民として少年期を暮らすんです。でもそこにエルヴィス・プレスリーが逸脱していくきっかけになるものがあったんです。それが黒人の世界でした。当時は黒人の地位はまだ白人に比べると低いもので、差別を受けていたんですよね。そしてその黒人の影響に白人は恐怖を感じていたんです。

だからアメリカ社会では、黒人の住んでいる地域には白人は住んではいないし、白人が黒人に近寄ってはいけないそんな環境だったんですよね。でも貧しいプレスリーファミリーは黒人が住む地域のそばに住んでいてたため、黒人の影響をいっぱい受けたんですよね。そしてバイトをしながら地元の高校には入り、ごく普通の生活をしていたけど他の学生とは格好が違っていたんです。

サイドは短く借りげてるスタイルが普通の高校生なのに、エルヴィスは長い髪の毛を黒人が使うポマードで撫で付けて、もみあげを長くし、黒人が出入るする店でピンクのシャツに黒いズボンといった、他の生徒とは明らかに違うスタイルだったんですよ。つまりエルヴィスは黒人と幼い頃から接していくうちに、白人では考えられない黒人の感性が養われていたんです。

エルヴィスにとって黒人社会は自分の生活してきた環境で、それ以上でもそれ以下でもないんですよね。だから普通の白人からみた黒人とは違った感性を持っていたんです。それだから白人から見たエルヴィスは逸脱していた存在に見えたかもしれません。それにエルヴィスがデビューしてから、音楽にファッションに曲の振り付けなど、アメリカのPTAが反発して「青少年を黒い悪魔の道に導く」としてエルヴィスを追放しようとしたんですよね。

ただエルヴィスは、自分の大好きな音楽をやり、自分の大好きなリーゼントに黒人のファッションを追求していただけで、青少年の非行を導くような気持ちもなかったんです。純粋に黒人音楽を自分の体でアレンジして歌っただけで、リーゼントも長い髪の毛を黒人がポマードをつけて流してたいの見て、格好いいと感じてやり続くけていただけなんですよね。

確かにそのリーゼントやファッションや音楽が、白人社会の中で考えたらとても逸脱していたのんでしょう。だから若者たちはその見たいことのない、黒人の真似をしたエルヴィスを新鮮に感じ、虜になったんだと思います。エルヴィス・プレスリーは、白人の世界の常識を打ち破って成功した白人だった、ということです。
なので、ボクは、不良の象徴としてエルヴィス・プレスリーを紹介するのではなく、「常識を打ち破り成功する」象徴として、今後も紹介していきたいと思います。

 この記事の投稿者

乗本和男

浜松市の山奥にある佐久間町というところでフィフティーズな床屋 「ヘアーサロンノリモト」を営んでいます。フィフティーズ・ロカビリーが大好きで自然に囲まれながらロックな毎日を過ごしています。町の人に喜んでもらえる床屋を目指しています!
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0 follow us in feedly

ページ最上部へ