「気持ちがいい」は床屋にとって最高の褒め言葉。

僕の仕事で使う道具には色々なものがあります。ハサミ・クシ・バリカン・・・。そんな中で1番気を使うのがバリカンなんですよね。バリカンて床屋の中ではかなり重要な役割を持っているんです。それは床屋に来るお客さんが、比較的短いベリーショートの方が多いからなんですよね。それにフェードヘアーといって、サイドを剃ったように驚嘆に短く刈り上げるヘアスタイルが増えているからなです。

そんなバリカンですが昔は手動式のものだったんですよね。手で開閉してバリカンの刃を動かして、髪の毛を切って行くんです。このバリカンは手動式だけに、使う人によって上手い下手があったんですよ。当時一般にも売られていたので、素人が刃を研ぐと刃が切れないことが多く、小さい頃自宅でBOUZUにしてもらっていたお客さんに聞くと、痛すぎて髪の毛を切るのが苦痛だったと言ってました。

そしてバリカンは道具として、直接お客さんの肌に密着する時間が長いんですよね。だからすごい気を使わないといけない道具なんです。そして僕が消毒以外にもいつも気をつけていることがあるんです。この季節になると特に気を使うのですが、バリカンて金属でできているんです。その金属が首の下から頭まで肌に当たるんですよね。だから僕は使うバリカンの刃だけ、顔そりに使う蒸しタオルを作る蒸し器の上で温めてから使うんですよね。自分がこんな寒い冬に直接 首にバリカンを当てられたら、冷たくてビックリしたことがあったんですよ。

だからお客さんにはそんな冷たい思いをさせたくなくて、この時期になると必ずバリカンを使うお客さんの時には、蒸し器の上にバリカンを置いて温めてから、使うようにしているんですよ。そうすることで、お客さんが「このバリカンは暖かくて気持ちがいいな」って言ってくれるんです。


本当に小さな心遣いだけどお客さんの立場になった時に、こんなことをしたら喜んでもらえるだろうかって考えることが、大事なだなって思うんです。商売だけではなく、相手の立場になって考えてあげるって、とても大事なことだなって思いました。

 この記事の投稿者

乗本和男

浜松市の山奥にある佐久間町というところでフィフティーズな床屋 「ヘアーサロンノリモト」を営んでいます。フィフティーズ・ロカビリーが大好きで自然に囲まれながらロックな毎日を過ごしています。町の人に喜んでもらえる床屋を目指しています!
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0 follow us in feedly

ページ最上部へ