SNSを使い発信しているのは、お客さんが僕の店に来店する理由を作っているんです。

こんな山奥で商売をやっていると、とんでもない不安に陥ります。それはお客さんが消えていくことなんですよね。お客さんの高齢化か進み悲しいことに亡くなって、この世から姿を消していきます。そして山奥では若い人が出て行き、子供も生まれずこのままいくと、中学校に続き幼稚園・小学校も廃校になってしまいます。こんなところでも商売をやり続ける以上は、地元以外からのお客さんに来店してもらわなくてはいけません。

そして自分はだんだんと歳をとり、老いて行きます。いくら頑張っても新しいことについていけなくなってしまうんですよね。理美容の仕事は感性が大事だと考えています。だから衰えていく自分の感性の中で、何を大事にしていくかも考えているんです。自分には他の人に比べて、飛び出たような技術も持っていません。普通の床屋のおっちゃんです。

そんな山奥にる床屋のおっちゃんが、商売をやって生活していくには、この山奥の床屋にお客さんが足を運んでくれる理由を作らないといけないんです。そのために僕は毎日ブログを書き、FacebookやTwitterなどのSNSでいつも自分が感じたことや、思いを発信しているんですよね。そしたら僕の投稿をみて「こんなおっちゃんが山奥で床屋をやってるなら行ってみたいな」ってお客さんが来てくれるんです。

昨日もわざわざ東京の五反田から、朝の新幹線に乗り飯田線に2時間も揺られて、髪の毛をカットに来てくれました。福岡市出身で東京の会社に勤めている吉田くん。吉田くんは僕のブログを読んで、こんな人が床屋をやっているなら行ってみたいなって思い来てくれたんですよね。数ヶ月に1度来てくれるんですが、普段は手先が器用で自分で髪の毛をカットしてるんですよ。そして山の中のおっちゃんに会いたくなると、電車賃の方がかなり高いんだけど、わざわざ髪の毛をカットしに来てくれるんです。

東京のど真ん中に住んでいるし、目の前にはオシャレな美容室や床屋さんがいっぱいあるんですよね。でもそこには行かないで、いっぱい電車賃を使って、こんな山奥の床屋に髪の毛をカットしに来てくれるんです。凄く嬉しい。だから来てくれた時は全力で僕の魅力を出し切ります。これもSNSを毎日続けて投稿して来たからこそなんですよね。今までの自分じゃダメだ、もっとなんとかしないと、そんな気持ちがSNSに出会い、そこから吉田くんに僕の思いが伝わったんですよね。
なんの取り柄もない僕だけど、SNSやブログを毎日発信することで、僕の人柄に共感して来てくれる人が来てくれる。そしてこれが僕がSNSを発信する理由で、お客さんが僕の店に来店してくれる理由なんだなって思うんです。

 

 この記事の投稿者

乗本和男

浜松市の山奥にある佐久間町というところでフィフティーズな床屋 「ヘアーサロンノリモト」を営んでいます。フィフティーズ・ロカビリーが大好きで自然に囲まれながらロックな毎日を過ごしています。町の人に喜んでもらえる床屋を目指しています!
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