僕の大事な時間を使ってまでも行きたい出張床屋。

お客さんとのお付き合いは今できたものではなくて、長い間 店になんども足を運んでもらい、僕のことを気に入ってもらえたからこそできたものなんですよね。簡単にお付き合いというけど、お客さんさんとの関係に関しては、他のこととは違い、ある意味心から通じるものがあるから生まれてくるんだと考えているんです。

床屋という仕事は特にそんなことが強く関わってくる感じがします。その理由としてお客さんにこんなことを言われたことがあるんですよね。僕よりも10歳くらい上のお客さんでしたが「お前に顔を剃ってもらう時は「まな板の鯉」みたいなもので、全てをお前に任せる感じだもんな、強い信用がないとやってもらえないよな」って言われたんです。

僕は仕事柄当たり前のように、髪の毛をカットして、シャンプーして、ヒゲを剃ってと、1つのセットとして考えているんです。ですからお客さんに対してやるサービスとしての流れとしてやっていたんですよね。でもお客さんからしたら僕だからやってもらいたいわけですよ。お客さんからしたら僕は1人、僕からしたらお客さんはいっぱいいるんですよね。

だからこんな言葉を聞くまで、お客さんに対しての気持ちが、今とは違い仕事してしか考えていなかったんです。でもそんな言葉をお客さんから聞かされ、僕に対してのお客さんの気持ちを改めて強く感じたんですよね。そのお客さんが言ってくれた信用って言葉が、僕とお客さんの根本にあって、それあるからこそ強い繋がりがあるんだなって感じました。

お客さんの中には高齢になり、体を悪くして僕の店に来れないお客さんもみえるんです。そんなお客さんのために、自分の方からお客さんの自宅に行くことで、お客さんが安心して髪の毛をカットできると喜んでもらえることが嬉しいんですよ。自宅に行くということは店から離れるわけですから、僕にとっては時間的にも不利益なことが多いです。でも今まで通ってくれたお客さんだからこそ、自分の大事な時間を少なくしても行きたいんですよね。

そんな気持ちにさせてくれるのも、さっき書いたように僕とお客さんとの心と心の繋がりがるからだなって思います。大事なお客さんが困っている時には、これからも自分の大事な時間を使ってでもカットしに行きたいです。

 この記事の投稿者

乗本和男

浜松市の山奥にある佐久間町というところでフィフティーズな床屋 「ヘアーサロンノリモト」を営んでいます。フィフティーズ・ロカビリーが大好きで自然に囲まれながらロックな毎日を過ごしています。町の人に喜んでもらえる床屋を目指しています!
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