フィフティーズな床屋, 仕事観, 佐久間町の紹介, 暮らし, 雑感
介護士さんは、お年寄りを愛してないとできない仕事だなって思った。
僕の町にある特別老人ホームなんだけど。介護士さんが新たに入らないしやめて行くので、入居を待っていてもなかなか入ることができないみたいなんです。実際にどんな理由で辞めたり入らなかったりするのは、詳しくはわかりませんが、作業を見ていて大変だなってことは分かります。
そんな介護士さんに僕は2ヶ月に一回のペースで会うことができます。それは床屋の組合で毎月 入居している人の髪の毛をカットさせてもらいに行っているからなんですよ。もうこう行った仕事をさせてもらって、20年近くになりますかね。始めの頃は介護施設もできた分で、どこで髪の毛をカットしたらいいのかお互いに考えて、なんとお風呂場の脱着所で初めはやっていたんです。それは髪の毛をカットとして直ぐにお風呂に入れるようにと、考えてのことだったんですよね。
そんな髪の毛のカットをする時の入居者の方も、今とは大分違ってました。何が違っていたかというと、認知症などの脳に病気を持った人は、自分の行動とか考えることができずに、暴れたりとか喚いたりとかするんですよね。だから今では考えられないけど、出来立ての施設の時には色々な体験をしました。
全ての人ではないですが、髪の毛をカットする時に凄い暴言を吐かれたりしたんです「お前をぶち殺すぞー」「お前なんて帰れー」とか本人は本来そんなこという人ではないのに、病気のために出てしまう言葉だったんですよね。それにもっと凄かったのはカットしようとした時に、腕を噛まれたこともあるんです。いきなり「がぶっ」って来ましたからね。避ける暇もないくらい早いかったんですよ。それに免疫の落ちている人が触れると、感染るという病気を持っている人を、僕も雨ガッパみたいなものを着てカットしたことがあります。
こんな感じで始めの頃は、半分命がけで髪の毛をカットしに施設に行っていたんですよね。それがだんだんと極端に暴れる人がいなくなって来たんです。きっと病気のために暴れると、本人が怪我をしたりするといけないから、安定剤を飲ましたりしてるのかもしれませんね。
今でこそおとなしい入居者の方が多い施設ですが、介護さんの仕事を見ていると、大変だなーっていつも感じているんです。
そんな介護士さんの仕事は、皆さん「おじいちゃん・おばあちゃん」が好きじゃないとできないなってことなんです。決してお金のためとか生活ためだけにできる仕事ではないですもん。入居しているお年寄りを、心から愛せることができないと無理な仕事かなって思います。大変な仕事、でもこれから益々必要とされる仕事です。もっとお年寄りを愛さずにいられない、心の優しい介護士さんが増えてくれたらいいなって感じました。
この記事の投稿者
乗本和男