フィフティーズな床屋, 仕事観, 床屋ネタ, 雑感
来店できなくなったお客さんの自宅に、出張床屋に行ってきました。
こんにちは。
オールディーズが大好きな 浜松市佐久間町の理容師 乗本和男です。
とても辛かった!
認知症になったお客さんのところに行ってきました。というか、元々軽い認知l症の気配はあったんですが、なぜかあっという間に歩くことができなくなってしまったんです。これが認知症が進んでしまった症状なんでしょうね。いつも気強く、物事にストレートな物言いのおじさんでしたから、まさかこんなに弱くなってしまうとは思ってもいなかったんですよね。最後に店に来たのが、3月の終わり頃でした。そのと時にはまだ自分の足で店まで来て、昔のことを色々と話したり、これからの日本のことを話していたんです。
電話が来たのは一昨日でした。おばさんから、「申し訳ないけど、家まで床屋に来てくれる?」って頼まれたんです。「おじさん、どうかしたの?」と聞くと「もう歩けなくなってしまって、床屋まで行けないだよ。申し訳bないけど、いいかな?」もちろん、お世話んなったおじさんですから、空いている時間を見つけて予約を早速入れました。
その予約の日が今日だったんです。日中の暑い日でした。出張床屋の準備をして、土間でヘアーカットするつもりで行ったら、おじさんが全く反応してくれなくて、玄関の土間まで歩いてくる気力がなくなっていたんです。そこで、それじゃと、ビニールシートを家まで持ちに行って、部屋でヘアーカットすることにしました。
寝室の横にビニールシートを引いて、そこに椅子を置いてやることにしたんです。おじさんも僕の顔を見ると、嬉しそうな顔をして「おい!」なんて、一瞬僕のことを思い出したんでしょうね。それからゆっくりと時間をかけて、椅子までたどりつきました。4ヶ月も経った髪の毛は伸び放題になり、暑苦しさを早く解放してあげたったです。
ヘアーカットは、暴れもしないで、スムーズにできました。あんな元気で真っ直ぐなおじさんが、こんな姿になるなんて、認知症の怖さをしっかりと感じました。自分の母親も認知症なので、いずれこうなるんだなって覚悟ができた感じです。でも久しぶりに少し話せただけでも、嬉しかった。また髪の毛が伸びたら連絡を頂戴ね。待っています。
この記事の投稿者
乗本和男