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認知症の母親に思うこと。
こんにちは。
オールディーズが大好きな 浜松市佐久間町の理容師 乗本和男です。
日本は高齢化者社会になって、どこを行っても元気なお年寄りが、ワイワイ言って楽しんでいます。ボクもその姿を見て、いつかあんな元気なお年寄りになって、楽しい余生を送りたいなって感じました。でもね実際はそうではなくて、いつまでも元気に過ごせるお年寄りは少ないんですよね。当たり前ですが、何十年も体や心を使って来て、身体のどこも悪い人なんていないんです。元気といっても、脚や腰が痛くて上手く歩けなかったり、脳や内臓の病気で薬を飲みながら暮らしたりと・・・。皆さん色々と抱えていることが多いんです。
家の母も身体は丈夫なのですが、少しだけ認知が進んでいます。たまに会って会話をするだけでは、全く分からないくらいなんですけど、長い間話していると、だんだんとおかしいことを言ってくるので、そこで普通ではないなって感じるんですよね。色々な病気になると大変なことになりますが、この認知症というのは、途轍もない大変な病気だと、自分の母親がなって初めて理解ができました。今まで癌という辛い病気の親や祖母や叔母を送って来ましたが、認知症の母親を持って、この病気が1番辛い病気だなって感じてます。
お客さんの中にも、長い間通ってくれたお客さんが認知症になってしまっている方もみえます。ボクがおつき合いさせてもらっている時間はたった1時間くらいです。ですからこのお客さんが認知症だなんて分からないんですよね。ただ足腰が弱くなったなってことを感じるくらいなんです。でもその認知症がどんどん進んでいくと、同じことを何回も言うようになるんですよね。その度にお客さんに合わせて、返事をしているのですが、まだそれほど苦にはならないんです。それは他人ですから責任もないですし、1時間だけおつき合いしているだけですからね。
そんなお客さんをお持ちの家族の気持ちなんて、今まで「大変だな」ってくらい他人事のようだったんです。でも今は違います。ご家族の大変さが手に取るように分かるんです。お客さんは男性だからご夫婦で暮らしている奥さんは、とてつもなく大変でしょうね。力があるからもしかすると暴力も出るかもしれません。病気だからと自分の中で理解していても、なかなか心の中で解決できないものです。
でも今では色々なサービスもあり、家族が苦しむことも減って来ました。母親も週に3回デイサービスに行って、地元の同じような知り合いと楽しい時間を過ごしています。デイサービスに行く自分を、なぜ行くのかと疑問を持たないお母親になってしまっていることが「情けない」と考えてしまうボクがいるのが、母親との関係を辛いものにしているかもしれません。今は仕事もさせれず、自分の価値とか必要性を感じれなくなってますが、デイサービスに行って自分の価値を再認識して、これからの楽しい余生を過ごしてほしいなって思います。
この記事の投稿者
乗本和男