床屋の仕事は、技術と心でお客さんに寄り添うことです。

こんにちは。

オールディーズが大好きな浜松市佐久間町の理容師 乗本和男です。

色々な障害やアレルギーを持っているお客さんが来店してくれます。そのお客さんが安心できる技術と知識を持ってなくてはいけません。ボクたち理容師は国家試験を取り、その中で色々な衛生法を学び、お客さんに安全と安心をお届けすることができます。そして色々なパターンに対して、臨機応変に対応することが出来るんですよね。もちろんその中には長年の経験が大事になってきます。

 

さて、本日 来店してくれたお客さんは、まだ60代と年齢もそれほど高くないのですが、持病のために若いうちから耳が聴こえにくいんですよね。お客さんも若い頃は恥ずかしいからと、聴こえずらくても何もないようにふるまっていたのですが、流石に60代に入ってからは耳の聴こえがとても悪くなって来たんです。そして悩んだ末に高価な補聴器を買ったんですよね。

補聴器も高いから良いというものでもなく、その人にあった物じゃないと意味がないんです。60万円も出して作っても未だに使わないで、引き出しの肥やしにしている人もいます。そんなお客さんに理由と聞くと、音が入ってくる時に雑音がうるさくて、無い方がまだいいって言ってました。でも無いと聴こえないので、そんなお客さんとの会話は、かなりしんどいものになります。

今回のお客さんは、耳にかけるタイプの補聴器を買ったんです。よく一般的に見る形のものです。ただ先ほど書いたように補聴器をつけているのを、人に知られたく無いんですよね。だから我慢していたんですが、今回はしっかり耳にかけることにしました。これは昔からあるタイプのもので、耳にかけると大きく耳の後ろに補聴器が付いているのが分かります。このわかる部分をしっかりと隠せるようにカットしました。

耳にかけた時に、補聴器の先端が耳たぶの上の部分くらいになるんです。本人はシュートヘアーにしたいのですが、そこが1番見えやすいので、しっかりと隠せるくらいの長さにします。本当はその部分が重たいので軽くしたいのですが、軽くして動きいが出てしまうと、補聴器が見えてしまう可能性があるので、わざわざ重量感を出して、毛の厚さでも見えないようにしているんです。とにかく見られたくない。そんな希望を大事にして、ヘアースタイルを作りました。ヘアーカラーも少し明るめにして、少しでもカットで出せなかった軽さを出してみたんです。

ボクたちが思う以上にお客さんの悩みは大きいものなんですよね。これからも技術と心でお客さんに少しでも寄り添っていきます。今回も気に入ってもらえて良かったです。

 この記事の投稿者

乗本和男

浜松市の山奥にある佐久間町というところでフィフティーズな床屋 「ヘアーサロンノリモト」を営んでいます。フィフティーズ・ロカビリーが大好きで自然に囲まれながらロックな毎日を過ごしています。町の人に喜んでもらえる床屋を目指しています!
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