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酉の日には、暖房器具を出してはいけないという習わし。
こんにちは。
浜松市佐久間町の理容師 乗本和男です。
佐久間町も寒くなって来ました。知らない間に霜が降りたりして、空気も冬の匂いがするんですよね。そんな寒い中でもなるべくコタツやストーブを出さないように我慢しているのですが、流石にこれだけ冷えると、朝の時間には少し入れたくなります。そんな暖房機具を寒いから入れようとすると「カレンダーを見たか?酉の日はダメだに」っていう、大きな声が飛んでくるんです。
昔の人って親や祖父母から聞いた、習わしを大事にするんです。ボクも昔はそんな習わしを気にしていました。ただこの言い伝えを守っていると、本当に寒くて暖房器具のスイッチをいれたい寒さも、気合いで我慢しなくてはいけないくなってしまいます。言い伝えは必ずその根拠があるんです。ただ問題なのは、その根拠が今現在に必要なことなのかなって感じてしまうことなんです。
科学が進歩して、昔はわからなかったことが、当たり前のように解読されて、正しいことと正しくないことが、しっかりと判別出されたんです。ただ当時は、力のある人が自分の都合の良いように解釈をして、こういった習わしを作ったこともあったんですよね。家系の中で伝わることは、戦前の生活の中では当たり前のことで、昔はそれだけ他所から正しい情報を得ることが難しかったのでしょう。
さてそんな習わしの中、ボクの母親も同じことをずっと言っているんです。さっき書いた「酉の日は暖房器具に火を入れてはダメだよ。」いつも言っているですよね。だから本当に寒いと時に、さあストーブを入れましょうと思っても、そんなことを言うから、火を入れることも出来ないんです。結局その寒い日は我慢をして、酉の日以外に火を入れるようにするんです。でもこの酉の日は暖房器具を使い始めていけないっていう、根拠は全くないらしんです。そうではないかなっていう習わしはあるんですが、それも確かなものではないんですよね。
(やっと今日、つけることが出来ました)
それではいつ出したら気持ちよく暖まれるのか。それは「亥の子の日」なんです。
昔から「亥の子の日」に火を入れると火事にならないといわれていて「コタツ開き」をする習わしがあります。亥は陰陽五行説で火を制する水にあたるため、亥の月亥の日から火を使い始めると火事にならないとされていたみたいんです。
昔のコタツは掘りコタツで、炭を使っていたんです。ですからこの「コタツ開き」が暖房器具のカナメになり、他の暖房器具を使うのにも言われるようになりました。今ではあまり気にする人は少なくなって来ましたが、昔からある旧家は、今でも大事に習わしを大事にしているんですね。気にいなったら暖房器具を使う時は「亥の子の日」に火を入れてみてくださいね。
この記事の投稿者
乗本和男