フィフティーズな床屋, 仕事観, 床屋ネタ, 暮らし, 雑感
床屋の究極のサービスとは、お客さんに寄り添うことです。
こんにちは。
浜松市佐久間町の理容師 乗本和男です。
お客さんの中には、来店したくても来れないお客さんがみえるんですよね。そんな体の不自由なお客さんが、3年ぶりに息子さんに送ってもらい、来店してくれました。久しぶりの店に嬉しそうなお客さんの顔がありました。やはり出張床屋では、ヘアーカットは出来るものの、床屋としての気持ちが良いサービスを受けることができないので、満足ができないこともあるんですよね。
久しぶりに来店してくれたお客さんは、最近になってひどく腰というより、背中が曲がって来たんです。やはり畑をやっていると、どうしても下をむきっぱなしになってしまい。骨が弱くなる高齢者は、腰や背中が曲がってくることが多いんですよね。嬉しそうに「やっと床屋に来れた、嬉しい。」って、ボクの方を曲がった腰を伸ばしながらいうんです。ボクも嬉しくなって「おじいちゃん、良かったね。息子さんに感謝だね」って、言ったら、白い歯を見せてくれました。
やはり昔の人は床屋に行って顔を当たってもらう(髭を剃ってもらう)ことが、何よりも楽しみ歩だったんです。耳掃除にシャンプー。全てをやって初めて床屋に来た、髪の毛をカットしたって感じになるんですよね。いつもボクが電話をいただき、時間を作って出張床屋に行ってました。でも出張床屋は少し寂しいような感じがしていたんです。それを無くすのが、来店して全てのサービスをしてもらうことだったんですよね。
お客さんのヘアーカットも終わり、次は顔剃りです。カット椅子を顔が剃れるように寝かせるんですが、さっき書いたように腰ではなくて、背中が曲がっているので、伸ばすと痛いんですよ。それはもう知っていたので、そんなお客さんには柔らかいタオルを重ねて、お客さんが楽に寝れるよにしてあげます。
こんなことも背中が曲がった、お客さんの顔剃りをしたことがないと、気が付かないものですよね。顔剃りと耳掃除も終わりシャンプーをしました。前洗面から顔を上げたお客さんが「あー気持ち良かった、極楽だよ」って言われ、嬉しくて「ありがとうございます。」って言ったんです。
セットを終えて、帰りがけに息子さんの迎えを待ちながら「また来たいよ。」ってつぶやいたんです。本当にまた息子さんに送ってもらって来てほしいなって思います。また次も床屋の癒しサービスを受けに来てくださいね。
この記事の投稿者
乗本和男