床屋は、ハサミを使った快感商売!

 こんにちは。

浜松市佐久間町の理容師 乗本和男です。

床屋椅子に座ると、直ぐに眠くなって寝てしまうお客さんがいるんです。ボクはその度にお客さんに声をかけて、なるべく寝ないようにしてもらっているんですよね。でもね眠たい時って何をしても瞼が塞がってくるんです。その気持ちが良い時に眠らないようにするのも、大変なことなんです。ですがこの催眠術にでもかかったような床屋椅子の力は、実は椅子だけの力ではなくて、ヘアーカットする時のハサミも需要な役割をしているんです。

ボクの店の床屋椅子は、他のタイプに比べクッションも大きさもワイルドに作ってあります。ですから座るだけで眠たくなる、心地良さはあるんですよね。でもそれだけではないんです。ここに床屋の椅子に座りヘアーカットすると眠くなる魔法がかかるんです。普通にカットしているだけでは、そんなに眠たくはならないんです。でもハサミで裾を刈り上げるとだんだんと眠たくなってくるんです。

床屋はハサミを使って刈り上げます。その時にハサミの「シャカシャカ」という、小刻みでリズム感のある動きが眠気を誘ってくるんです。まさに床屋の技術は催眠術のような、知らない間に眠ってしまう感じなんですよね。これって快感を与える技術なんです。クシが肌に優しく触る感じ、そしてハサミがシャカシャカと小刻みに耳元でリズム良く鳴る音。静かにしていると爆睡してしまいそうな感覚に陥るんです。

先日来店してくれた小学生のお客さん、刈り上げをし始めたらもう頭がグラグラで、真っ直ぐに頭を固定していれられないんですよね。寝てしまうとヘアーカットしずらくなるので、一生懸命に話をしようと問いかけるんだけど、もう話しながら瞼が閉じてしまって、頭を寝かした状態でヘアーカットしました。眠たいのを我慢するのは大変ですからね。


でもね床屋って、カミソリやハサミなど刃物をお客さんの肌につける仕事じゃないですか、それでもこうやって眠りに入るお客さんがいるっていうのは、やはりお客さんに信用があるってことなんですよね。床屋の持っている安心感に、座り心地の良い床屋椅子、シャカシャカとリズムよく耳元で鳴るハサミの音、まさに快感技術です。だから床屋はハサミを使った催眠術師なんです。

 この記事の投稿者

乗本和男

浜松市の山奥にある佐久間町というところでフィフティーズな床屋 「ヘアーサロンノリモト」を営んでいます。フィフティーズ・ロカビリーが大好きで自然に囲まれながらロックな毎日を過ごしています。町の人に喜んでもらえる床屋を目指しています!
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