「和男を助ける時は今だと思ってる」そんなお客さんの言葉が嬉しかった。

こんにちは。

浜松市佐久間町の床屋 乗本和男です。

正直な話し、商売をやっていてこれほどピンチと感じたことはありません。地元に住んでいる住民の人口が減っていき、気がついたら、自分が家に戻ってきた時の人口の1/3しか人が住んでいないんです。高齢化率も70%近くなってしまい、周りを見てもお年寄りしか目に入らない、寂しい町の中の状態なんです。そんな状態でも、ここに住む人たちの役に少しでもたちたい。そんな想いがこの地元で30年間も商売をやらせていただいて、最近は強く感じることなんです。

そして今年に入ってのコロナウイルスのせいで、お客さんも感染に敏感になり、浜松や豊橋、新城と、近場の街で感染者が出ると、ヘアーカットに来る周期も長くなってしまいます。毎月 来店してくれたお客さんが2ヶ月に1度になれば、売り上げは半分になってしまいます。今はそこまでは酷くないですが、これからは少し分からなくなるかもしれませんね。

さてこんな寂しい話から始めたのは理由があったんです。ある1人のお客さんが言ってくれた言葉が、嬉しくて心の中にずっと残っているですよね。そのお客さんは僕の友達のお父さんです。学生の頃にはよくお世話になりました。おじいちゃんが店を開店した時からのお客さんなんです。そんなおじさんとヘアーカットをしながら、世間話しをしてました。

そしたらおじさんが

『今はコロナウイルスで、商売をやっているところは大変なことになってる。和男の店もきっとそうだと思う。そして今日、おばあ(おばさん)に「和男のところに髪の毛を切りに行ってくるよ。」って言ったら、おばあが「いつもより早いんじゃないの?」って言いやがった。だから「和男が困っている今、助けてやらにゃいつ助けてやるだ!俺が多少早く髪の毛を刈っても、変わりはないかもしれんが、少しでも助ければいい」って言ってやった。』

って言ってくれたんです。僕は目頭が熱くなって素直に「おじさん、ありがとうございます」って頭を下げました。嬉しかった。おじさんももう歳です。いつまでも来れないかもしれないけど、おじさんがいつまでも元気で若く見られるようなヘアースタイルを、おじさんのために作り続けていきたいです。「おじさん、ありがとう。がんばるね。」

 この記事の投稿者

乗本和男

浜松市の山奥にある佐久間町というところでフィフティーズな床屋 「ヘアーサロンノリモト」を営んでいます。フィフティーズ・ロカビリーが大好きで自然に囲まれながらロックな毎日を過ごしています。町の人に喜んでもらえる床屋を目指しています!
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