フィフティーズな床屋, 暮らし, 雑感
コロナウイルスで、初盆の風習も変わる。
こんにちは。
浜松市佐久間町の理容師 乗本和男です。
去年の年末と今年の7月に母親の妹を、2人見送ったので、今年は初盆が2回あるなって考えてました。それがコロナウイルスの関係で、喪主の姉妹だけでやるということにしたみたいなんです。お寺さんと話したみたいで、こういった初盆の供養は、亡くなった人の兄弟や親類が集まるから、遠くの方から見える方が多いんです。ですから今の状態では、感染予防に気をつけるために呼ばないことにしたらしいんですよね。またそういった情報を得て、1番下の妹の初盆の参加を取りやめにしたんです。
上の妹の方は、水窪町で床屋をやっていたので、水窪の初盆のやり方で送るのかなって思っていたんです。初盆も地域によっては色々な送り方がありますが、水窪という地域は、昔からの伝統を大事にする地域なので、その風習がとても大変だってことは、僕も叔父と祖母を水窪で送ったことがあるので知ってました。初盆にかかる時間ですが、浦川では1時間もかからないうちにお経は終わり、料理屋に行って食事になります。ちょっと寂しいくらいの初盆です。
それとは打って変わり、水窪という地域は、すごい丁寧な初盆をやるんですよね。当日には、まず組合の人が集まって、朝の10時くらいから御詠歌を1時間くらいかけて、祭壇の前で歌い上げます。そしてお寺さんが来て、初盆のお経をあげるのが1時間くらいかな。その後、昼食だったかな。(順番が前後してるんかもしれません)あまり時間がなく食事を済ませ、今度は祭壇に飾ってあった、大きな提灯を持って、家族と組合の人で街中をパレードして、山の中腹にある不動様を目指します。着いたら若い衆が大念仏を踊ってくれるんですよね。それがまた1時間くらいあるんです。
もう暑すぎて、シャツが汗でびっしょりになってしまいます。大念仏が終わると今度は提灯を焼く川原に向かいます。水窪の部落によって燃やすところが違うんですよね。大体その場所まで30分くらいかかりますかね。かなりの数の初盆の提灯の数なので、また待ってるにも時間がかかるんです。終わって家に帰ると、夕方の5時でした。約7時間あまりの初盆の儀式です。流石に僕もぐったりしてくたびれた記憶があります。
そのお盆の風習をやめて、なるべく初盆には他所から来ないような感じにするみたいなんです。水窪の風習を知っている人は、僕みたいに助かったと思う人から、寂しいなって思う人までいますが、そのくらいインパクトがある水窪の初盆も、コロナウイルスの関係で無くなってしまうんだなってことを伝えたかったんです。もしかするとこういった人が交わる昔からの風習は、これから無くなって行くかもしれませんね。残念ですが、これもコロナウイルスで新しく変わって行くことなんですね。
この記事の投稿者
乗本和男