出張床屋は、一人暮らしのお年寄りの話し相手が仕事。

こんにちは。

浜松市佐久間町の床屋 乗本和男です。

お客さんの高齢化に伴い、僕の出張床屋も増えていきます。つい最近まで車で来店されたのに・・・、そんなお客さんが多くなって来たんですよね。まだJR飯田線沿いに住んでいる方は、電車で来店できるのでいいのですが、最寄りの駅まで歩いて1時間もかかってしまう場所に住んでいると、到底駅まで行くことなんて出来ません。車の免許証を返納する年齢って85歳は超えています。ですから歩くことも困難な方がほとんどなんですよね。

そんな方の家に出張床屋に行くんです。そうは言っても店に来て、暖かい場所でカットしてシャンプーして顔を剃ってもらいたんですよね。ですから家族の方がたまに来た時に連れてこられる方もみえます。でもそれもまれで、ほとんどは来店ができなくなってしまい、僕が出張して行くことがほとんどなんです。本当は店に来て元気な顔をみせて欲しいのですが、そんな無理なことも言えないんですからね。

でも出張床屋に行くのも決して悪いことばかりではないんですよね。行ってみて分かるのがお客さんの生活感なんです。出張床屋に行くのはほとんどが、一人暮らしのお年寄りの方の自宅が多いです。そんなお客さんは、やっぱり人恋しいんですよね。僕が家まで行くと、首を長くして待っていたのか、僕が玄関でドアを開ける前に、開けてきて「良くきてくれたね。ありがとう」って嬉しそうな顔をして迎えてくれます。慣れ親しんだおじいちゃんからのお客さんです。お互いに話が弾んで、ついついヘアーカットの時間よりも、話す時間の方が多くなるんです。

この間もそうでした。出張の時間は1時間しか取ってないんです。そしてついつい話が弾んで、時間が迫ってきたんですよ。店では次のお客さんがくるので、それまでに帰らないといけないんだけど、お客さんが帰り際に「大根はいるか?」って言ったので、きっと用意してあって持たせてくれるんだなって思い「いただきます」って言ったら、足が痛いからゆっくりしか歩けないのに、何故かクワを持ちに行って、畑で掘り始めたんです。まさかの行動に店に電話をして、母親にお客さんが来たら、先に顔を剃ってもらうことにしました。そしたら時間も少しは伸ばせるからね。

自分が手塩に作った大根を、食べさせたいって思ってくれるのがすごく嬉しんですよね。僕が車で帰る時も、痛い足を引きずって見送りに来てくれました。「あー、出張床屋に来れて良かったな」って思います。そんなお客さんの喜ぶ顔を見に、これからも続けていきます。

 この記事の投稿者

乗本和男

浜松市の山奥にある佐久間町というところでフィフティーズな床屋 「ヘアーサロンノリモト」を営んでいます。フィフティーズ・ロカビリーが大好きで自然に囲まれながらロックな毎日を過ごしています。町の人に喜んでもらえる床屋を目指しています!
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