出張床屋は、お客さんの安否確認も兼ねている。

こんにちは。

浜松市佐久間町の理容師 乗本和男です。

高齢化が進む山奥の町では、店に来店できなくなってしまったお客さんのために、出張という形で床屋に行かせてもらっています。寝たきりや足が不自由で、買い物など外出が困難なお客さんだけを対象としたサービスなんです。まさか僕もこんな仕事が来るとは思っていませんでしたが、僕も含めてどんどん歳を取っていくんです。そうなるとこういった辛いことも起きてしまうんですよね。

まだこうやって自宅に呼ばれる場合はいいのですが、中には特別老人ホームなど、認知症が入り自分のことが誰だかわからなくなることもあります。そんな方が暮らしているホームにも、2ヶ月に1度ヘアカットに行かせてもらっています。

なるべくなら来店してもらい、理容椅子でヘアカットさせてもらいたいのですが、この前も行かせていただいたお客さんも、肺気腫を患い酸素吸入していて、動くことすらも困難なんですよね。僕の方から無理を言ってベットから、椅子に方へ座っていただきました。誰でもそうかもしれませんが、自分で最後の時を迎えるのは家がいいと言われるみたいです。

そこで病院の方も往診という形で、患者さんの自宅に行き治療をしてるんですよね。そんなお客さんと来店してくれた時のことを話したり、若かった頃の武勇伝を聞いてあげて、懐かしい会話をするのも半分仕事みたいな感じで楽しいんです。

そして今日行って来たお客さんの自宅はかなり山奥になあり、92歳とういう高齢から自宅から外出できなくなってしまったんです。そして奥さんも他界して、話す相手もいなくなってしまっているんですよね。お子さんも遠くに住んでいてたまに来るくらいなんです。そんなお客さんからヘアカットに1ヶ月か2ヶ月に1回のペースで行ってます。施術中は、世間話をするのがすごく楽しみみたいです。それと息子さんの自慢話をするのも。いつも話してると分かるけど、ひと恋いしいんですよね。

僕が気をつけているのが、お客さんの体調の変化なんです。色々な会話の中で、体調がおかしいとか、ご飯が食べれないとか、そんな時には迷わず病院に行くか、往診に来てもらうようにいっています。どうしてもという場合は救急車がありますからね。まずは自分の健康を気にして欲しいことです。そんなお客さんの体調の変化に気がつくことも、僕の仕事の1つだと思っています。

 この記事の投稿者

乗本和男

浜松市の山奥にある佐久間町というところでフィフティーズな床屋 「ヘアーサロンノリモト」を営んでいます。フィフティーズ・ロカビリーが大好きで自然に囲まれながらロックな毎日を過ごしています。町の人に喜んでもらえる床屋を目指しています!
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